覚悟

夏が来た。

肌寒い梅雨が嘘のように夏が来た。

その間、僕にしては仕事が忙しかった。
神経の張る会議に提出する資料作りに追われた。

その仕事がなんとかこなせた時、つい思ってしまった。

「このままなんとかなるんじゃないか」

しかしその週末、どうにもならない苛立と、疲れが襲う。
三連休、ほとんど寝ていた。
会社の同僚たちは、海に山に出かけたらしく、真っ黒に日焼けしている。

僕はただ寝ていた。

このままなんとかなるんじゃないか、という希望が、逆に僕を苛立たせる。何とかなるはずなのに何ともならない。そんな週末。

そう、何ともならないという覚悟が足りなかったのだ。
体調が不安定で週末に予定を入れられない僕は、友人と山に行ったりする事はできない。

しょせんそんなもんなんだ。

でも、少し仕事ができたりすると、「みんなと一緒に遊べる」気がする。

でもそれはそんな気がするだけの事。仕事ができたのもたまたまできただけの事。

分不相応な事を考えては行けない。敗北主義ではない。でも「足るを知る」。

ない物を数えないで、あるものを数える。


この国や、この国が理想としているかの「アメリカ」は足るを知らない。飽くなき成長。それが資本主義。その中にずっと身を置いていると、不必要な「成長と努力」を要求される。

でもそんな必要はないのだ。


瞑想のごとく、「間違いに気がついたら早めに戻って」集中する。生活のリズムと、やれる事への選択への集中。無理な事への気持ちの動揺に気がついたら早めに戻る。

リラックスして、肩の力を抜いて、起立する。疲れたら休み、また立つ。その繰り返し。それへの覚悟。